残照 – 神戸市の自費出版専門/友月書房

「残照」は、70歳をすぎて初めて出した私のたった１冊の本。日常の小さな出来事や、心にとまった事などを書き連ねた。
本のタイトルの「残照」は、住んでいたマンション内に発足したボランティアグループに参加したのがきっかけで知り合った、身体の不自由な老人との関わりを書いたエッセーのタイトルからとった。
グループの先輩と一緒に訪問して、ひとり暮らしの彼に少しばかりのお世話をさせてもらった。頑固で用心深い彼もいつしか私たちに心を開いてくれて──。だが１年も経たないうちに逝ってしまった。あれから25年。私は今でも、黒目がちの大きな目を見開いて笑い、喋る、彼の顔を忘れない。

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